うつ病は「別人格」!? 発症から回復までの道のりを徹底解説!
「最近、気分が落ち込む日が続く…」 「もしかして、うつ病?」
誰もがなりうる身近な病気、うつ病。 今回は、精神科医として多くの患者と向き合ってきた私が、うつ病の発症から回復までの道のりを分かりやすく解説します。
実は、うつ病の経過は「ある一定のパターン」をたどります。 そして、うつ病は決して恥ずべきものではなく、正しい知識と適切な対応で必ず回復できる病気です。
この記事では、うつ病の経過を4つの段階に分け、それぞれの時期の特徴や周囲の人の関わり方について詳しく解説していきます。
1. うつ病発症前:気づきにくい心の異変
うつ病は、風邪のように分かりやすい症状が出るとは限りません。 そのため、自分がうつ病だと気づかないまま過ごしてしまう人も少なくありません。
この時期は、「なんだかいつもと違う」「疲れやすい」といった、漠然とした不調を感じるケースが多いです。
しかし、中には普段より攻撃的になったり、逆に無理に明るく振る舞ったりするなど、周囲の人も首を傾げるような言動が見られることもあります。
ポイント
- うつ病の初期症状は、非常に分かりにくい
- 周囲の人も異変に気づきにくい
2. 急性期:最も症状が重い時期
発症から約半年後、ついに訪れるのが「急性期」と呼ばれる最も症状が重い時期です。
この時期は、気分の落ち込みや不安感が強く、日常生活に支障をきたすほどの状態になります。
などが代表的な症状です。
この時期は、まるで「別人格」になったかのように、自分自身をコントロールすることが難しくなります。
記憶力も低下するため、この時期の記憶は曖昧になってしまうことが多いのも特徴です。
ポイント
- うつ病の症状が最も強く現れる時期
- 記憶力が低下し、この時期の記憶は曖昧になりやすい
- 本人も周囲も混乱しやすい時期
3. 回復期:ゆっくりと回復へ向かう時期
急性期を乗り越えると、徐々に症状が落ち着いてくる「回復期」に入ります。
しかし、回復期は急性期の倍程度の期間を要すると考えましょう。
この時期は、心身ともに疲れ切っている状態です。 焦らず、ゆっくりと休養することが大切です。
- 睡眠をしっかりとる
- バランスの取れた食事を心がける
- 軽い運動を取り入れる
など、生活習慣を整えることから始めましょう。
ポイント
- 急性期より症状は落ち着くものの、まだ不安定な状態
- 焦らず、ゆっくりと休養することが大切
- 生活習慣を整えることから始めましょう
4. 再発予防期:うつ病と向き合い、再発を防ぐ時期
回復期を経て、ようやく元の生活を取り戻せるようになってくるのが「再発予防期」です。
この時期は、うつ病と向き合い、再発を防ぐための対策を講じていくことが重要になります。
- ストレスを溜め込まない
- 自分自身のストレス対処法を見つける
- 定期的な診察やカウンセリングを受ける
- 家族や周囲の人のサポートを得る
などが有効な手段です。
また、この時期になって初めて、自分がうつ病だったことを受け入れられるようになる人もいます。
そして、周囲の人も、この時期になってようやく「うつ病」という病気を理解し、患者への適切なサポートができるようになるのです。
ポイント
うつ病は、決して恥ずべき病気ではありません。
正しい知識と適切な対応で、必ず回復できる病気です。
もし、あなたがうつ病で悩んでいるなら、一人で抱え込まず、専門医に相談してください。
そして、周囲にうつ病の人がいたら、温かく見守り、サポートしてあげてください。