【医師監修】パニック障害のメカニズム・治療法を徹底解説!
突然ですが、「パニック障害」をご存知でしょうか?
芸能人でも罹患する人がいるなど、決して珍しい病気ではありません。
今回は、多くの人が悩まされているパニック障害について、そのメカニズムから治療法まで詳しく解説していきます。
パニック障害とは?
- パニック発作
- 予期不安
- 広場恐怖
これらの要素が組み合わさり、日常生活に支障をきたす状態をパニック障害と診断します。
パニック発作
パニック発作とは、突然激しい不安や恐怖に襲われる発作のことです。
主な症状としては、以下の様なものが挙げられます。
- 動悸
- 息苦しさ
- めまい
- 吐き気
- 胸の痛み
- 手足のしびれ
- 発汗
- 死への恐怖感
これらの症状は、数分から数十分続くことが一般的です。
予期不安
パニック発作を経験すると、「また発作が起きるのではないか」という不安に襲われるようになります。
この不安が、日常生活に支障をきたすほどの強さになることを「予期不安」と呼びます。
広場恐怖
予期不安が強くなると、発作が起きた時に助けを求められないような場所や状況を避けるようになります。
例えば、電車やバスなどの公共交通機関、人混み、エレベーターの中などです。
このような状況を避けることを「広場恐怖」と呼びます。
パニック障害のメカニズム
パニック障害の原因は、まだ完全には解明されていません。
しかし、ストレスや疲労、睡眠不足などが発症の引き金になると考えられています。
これらの要因によって、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌量が減少することが、パニック発作を引き起こす一因と考えられています。
セロトニンは、精神安定作用やリラックス効果をもたらす神経伝達物質です。
セロトニンの分泌量が減少すると、不安や恐怖を感じやすくなったり、パニック発作を起こしやすくなると考えられています。
パニック障害の治療法
パニック障害の治療は、主に薬物療法と認知行動療法が行われます。
薬物療法
薬物療法では、主に以下の2種類の薬が用いられます。
SSRIは、脳内のセロトニンの量を増やすことで、不安や恐怖を抑える効果があります。
効果が出るまでに数週間かかる場合もありますが、根本的な治療を目指すためには、SSRIを継続的に服用することが重要です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、即効性が高く、不安や緊張を和らげる効果があります。
ただし、依存性や耐性が生じやすいという欠点があるため、頓服として使用されることが多いです。
認知行動療法
認知行動療法は、患者自身の考え方や行動パターンを変えることで、不安や恐怖をコントロールしていく心理療法です。
パニック発作に対する恐怖心を軽減し、発作が起きても冷静に対処できるよう、患者自身の力を高めていくことを目的としています。