ADHDの薬、徹底比較!コンサータ、ストラテラ、インチュニブの違いを解説!
「集中力が続かない」「落ち着きがない」「衝動的に行動してしまう」
このような悩みを抱えている方は、ADHD(注意欠如・多動症)の可能性があります。ADHDは、脳の一部の機能がうまく働かないために起こる発達障害の一つです。
ADHDの治療には、薬物療法が有効な場合があります。ADHDの薬は、脳内の神経伝達物質の働きを調整することで、症状を改善します。
しかし、ADHDの薬にはいくつかの種類があり、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ADHDの代表的な薬であるコンサータ、ストラテラ、インチュニブの違いについて、分かりやすく解説していきます。
1. ADHDの根本的な原因とは?
ADHDの薬について詳しく見ていく前に、まずはADHDの原因について簡単に理解しておきましょう。
私たちの脳は、たくさんの神経細胞が複雑にネットワークを築き上げています。そして、この神経細胞同士の情報伝達を担っているのが神経伝達物質です。
ADHDは、この神経伝達物質の中でも、特にドーパミンとノルアドレナリンという物質が、脳の特定の部位で不足していることが原因の一つと考えられています。
ドーパミンは、意欲や快感、集中力に関わる物質で、ノルアドレナリンは、覚醒や注意、集中力を維持する働きがあります。
ADHDでは、これらの神経伝達物質が不足することで、脳の司令塔である前頭前野と、意欲や快感に関わる側坐核や線条体との連携がうまくいかず、様々な症状が現れると考えられています。
2. ADHDの薬はどんな種類があるの?
ADHDの薬は、主に中枢神経刺激薬と非中枢神経刺激薬の2つに分けられます。
中枢神経刺激薬は、脳内のドーパミンやノルアドレナリンの量を増やすことで、神経活動を活発にする薬です。即効性があり、効果を実感しやすいという特徴があります。代表的な薬として、コンサータが挙げられます。
一方、非中枢神経刺激薬は、神経伝達物質の再取り込みを阻害することで、間接的に神経活動を調整する薬です。効果が出るまでに時間がかかる場合がありますが、依存性や乱用のリスクが低いというメリットがあります。代表的な薬として、ストラテラやインチュニブがあります。
3. ADHDの薬を徹底比較!
それでは、それぞれの薬について、詳しく見ていきましょう。
3-1. コンサータ:即効性と持続性に優れた中枢神経刺激薬
コンサータは、メチルフェニデートを有効成分とする中枢神経刺激薬です。ADHDの薬の中でも、最も効果が高いとされ、第一選択薬として広く処方されています。
コンサータは、側坐核や線条体におけるドーパミンの再取り込みを阻害すると同時に、前頭前野におけるノルアドレナリンとドーパミンの再取り込みを阻害することで、神経活動を活性化させます。
特徴的なのは、その独自の徐放性製剤です。コンサータは、カプセルの中に2種類のビーズが入っており、服用すると、まず外側の層から薬がゆっくりと放出され、その後、内側の層から徐々に薬が放出される仕組みになっています。
これにより、1日1回の服用で、約12時間にわたり効果が持続します。
【コンサータのメリット】
- 効果が高い
- 1日1回の服用で効果が持続する
- 依存性や乱用のリスクは低い
【コンサータのデメリット】
- 食欲不振、不眠、頭痛などの副作用が現れる場合がある
- 効果が出るまでに時間がかかる場合がある(個人差あり)
3-2. ストラテラ:依存性が低く、穏やかに効果を発揮する非中枢神経刺激薬
ストラテラは、アトモキセチンを有効成分とする非中枢神経刺激薬です。前頭前野におけるノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害することで、神経活動を調整します。
コンサータのような即効性はありませんが、穏やかに効果を発揮し、効果が24時間持続するという特徴があります。
また、依存性や乱用のリスクが低いため、中枢神経刺激薬の使用に不安がある方や、副作用が気になる方にも処方されます。
【ストラテラのメリット】
- 依存性や乱用のリスクが低い
- 効果が24時間持続する
- 眠気や食欲不振などの副作用が少ない
【ストラテラのデメリット】
- 効果が出るまでに2〜4週間程度かかる場合がある
- 効果がコンサータに比べて弱い場合がある
3-3. インチュニブ:新しいタイプの非中枢神経刺激薬
インチュニブは、グアンファシンを有効成分とする非中枢神経刺激薬です。前頭前野に存在するα2Aアドレナリン受容体を刺激することで、神経活動を調整します。
ストラテラと同様に、依存性や乱用のリスクが低く、穏やかに効果を発揮します。
【インチュニブのメリット】
- 依存性や乱用のリスクが低い
- 眠気や食欲不振などの副作用が少ない
【インチュニブのデメリット】
4. 自分に合った薬を見つけるために
ADHDの薬は、症状や体質、ライフスタイルによって、最適なものが異なります。
自己判断で薬を選んだり、服用を中止したりすることは大変危険です。必ず医師の診断を受け、自分に合った薬を処方してもらいましょう。
また、薬物療法と並行して、認知行動療法などの心理療法を受けることも有効です。
5. まとめ
今回は、ADHDの代表的な薬であるコンサータ、ストラテラ、インチュニブの違いについて解説しました。
これらの薬は、いずれもADHDの症状を改善する効果が期待できますが、それぞれ特徴やメリット、デメリットがあります。
自分に合った薬を見つけるためには、医師との綿密な相談が不可欠です。
この情報が、ADHDの治療に悩む方々のお役に立てれば幸いです。