まるまるを受け入れるには? 精神科医が考える4つのステップ
「まるまるを受け入れるにはどうしたらいいんだろう?」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。病気、障害、仕事のこと、人間関係など、人生には様々な困難がつきものです。そして、それらを受け入れることは容易ではありません。
今回は、精神科医の視点から「まるまるを受け入れる」ということについて考えてみましょう。具体的な例を挙げながら、どのようにすれば困難を受け入れ、前に進んでいけるのか、4つのステップをご紹介します。
ステップ1:スモールステップで始める
「薬を飲みたくない」「こんな自分は嫌だ」「働けない」… 患者さんからよく聞く言葉です。これらの悩みは、どれも根深く、すぐに解決できるものではありません。
そこで有効なのが「スモールステップ」です。いきなり大きな変化を求めるのではなく、まずは小さな一歩から始めるのです。
例えば、薬を飲むのが嫌な患者さんには「とりあえず、今日だけ飲んでみましょう」と提案します。病気のことや将来のことは一旦置いておき、目の前の小さな行動に集中してもらうのです。
これは、ビジネスの交渉術にも通じる考え方です。相手が受け入れがたい要求を突きつけるのではなく、小さな妥協点から交渉を始め、徐々に歩み寄っていくのです。
もちろん、スモールステップだけで全てが解決するわけではありません。しかし、最初の一歩を踏み出すことで、状況を打開するきっかけをつかむことができるのです。
ステップ2:ポジティブな視点を取り入れる
「こんな自分は嫌だ」という自己否定の感情は、非常に苦しいものです。しかし、その感情に囚われすぎると、前に進むことができなくなってしまいます。
そこで、視点を変えてみましょう。「どんな自分になりたいのか」「何がしたいのか」という、未来志向の問いかけをするのです。
完璧な自分になる必要はありません。今の自分から少しだけ成長した姿を想像し、そのためにできることを考えてみましょう。
例えば、アルコール依存症の患者さんには「お酒を飲まなかったら、何がしたいですか?」と問いかけます。お酒以外の楽しみや目標を見つけることで、依存から抜け出すきっかけをつかむことができるかもしれません。
ステップ3:周囲の理解とサポートを得る
「働けない」という悩みは、経済的な不安だけでなく、社会からの孤立感や劣等感にもつながります。そして、その悩みを一人で抱え込むことは、非常に大きな負担となります。
そこで重要なのが、周囲の理解とサポートです。家族、友人、医療従事者など、信頼できる人に悩みを打ち明け、助けを求めてみましょう。
また、ハローワークや就労支援機関などを利用することも有効です。専門家のアドバイスやサポートを受けることで、自分に合った働き方を見つけることができるかもしれません。
特に、家族の理解とサポートは重要です。家族が「働けない」という状況を受け入れ、支えてくれることで、本人の精神的な負担は大きく軽減されます。
ステップ4:受容的な空間で心を解放する
「まるまるを受け入れる」ためには、安心できる場所で自分の気持ちを吐き出すことが大切です。精神科の診察室は、まさにそのような「受容的な空間」です。
静かでプライバシーが守られた空間で、患者さんは自分の悩みや不安を自由に話すことができます。そして、医師は患者さんの話をじっくりと聞き、共感し、受け止めます。
この「受容」というプロセスが、患者さんの心を解放し、自己理解を深めるための重要なステップとなります。
医師は、患者さんの言葉だけでなく、表情や態度からも多くの情報を読み取ります。そして、患者さんの抱える問題を具体的に理解し、適切なアドバイスや治療を提供します。
最後に:焦らず、ゆっくりと
「まるまるを受け入れる」ことは、一朝一夕にできることではありません。時間をかけて、ゆっくりと自分と向き合っていくことが大切です。
そして、時にはつまずいたり、後戻りしたりすることもあるでしょう。それでも、諦めずに、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
今回ご紹介した4つのステップは、あくまでも一つの考え方です。大切なのは、自分に合った方法を見つけ、実践していくことです。
もし、一人で悩んでいるのであれば、ぜひ専門家の助けを求めてみてください。あなたの悩みを受け止め、一緒に解決策を探してくれる人が、きっといるはずです。
この記事が、少しでもあなたの助けになれば幸いです。